内祝い、その展望を探る
いまの日本料理は調理の段階に味をつけるのに対して、西洋料理はソースや塩やコショウを各自好みだけかけて食べる点ちがっている。
ハイカラぶって盛んに真似している日本料理の干年も昔のやり方とおんなじで、珍しくも新しくもないのだ、というわけだ。
日清戦争に勝利をおさめてから2年目。
国民の意気高く、数年後には大国ロシアに勝とうとしていた日本庶民の愛国の心意気であった。
ここには、ややヤケでハチなら、新来の西洋文明に酔う上流階級への、庶民のやるせない抵抗の姿ある。
明治以後、ことに第2次大戦後の日本人の食生活を、その″洋風化″として捉えることによって、他の文化との対比を行なうこと盛んだ。
ことに第2次大戦後の食生活は洋風化の嵐にもまれて来た、といわれる。
牛肉や牛乳の消費量の増大がその目安とされる。
この論に立つと、日本人の食生活は「住」や「衣」にきつけて(男達がチ’ソマゲを落とし洋服を着ることを始めたのより数年早く、木造の棟割り長屋鉄筋コンクリトの2DKとなった年より約80年早く)西洋化を開始し、その志向に沿ってばく進して来たことになる。
果たしてそうだろうか。
魚肉ソーセージというものあった。
あった、と過去形で書くのは、いまだ商品として健在である以上適切ではない少なくとも戦後の数年の国民の食生活の中ではなばなしく売れたあのころにくらべれば、いまはもう多くの人達にとっては記憶の中の食品となってしまった、といっていいだろうからだ。
魚肉ソーセージはイソスタソトラメソと並んで、戦後日本の加工食品の2大横綱といわれる。
戦前から研究は続けられてきたのだ。昭和218年、第5福竜丸のビキュ環礁における被爆で多量の放射能汚染マクロが埋められて、マクロの値段暴落したのをきっかけに、よい包装材料の出現と相まって世に現われ、たちまちものすごい勢いで国民の食生活にしみ通っていった。
魚より肉を喜ぶ若者の洋風化志向を安直に満たすものだったからだ。
この″魚肉″製品は戦後の庶民の″肉食″を リドしたといっていい。
その売行きの伸びが止まったのは昭和40年ごろだ。
それにとって代ったのはもちろんほんものの畜肉ハム、ソーセージだ、忘れてならないものに蒲鉾がある。
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